読書日記

「ジョン・ボルトン回顧録」(2021年2月16日)

投稿日:

「彼には個人的な利益と国益の区別がつかなかった」「行動基準は何が自分の個人的な利益に一番つながるか」「合衆国の大統領がこれほど理不尽な振る舞いをするのを見たことがなかった」

政府の側近たち、そして日本をはじめとする同盟国首脳の苦悩が伝わってきて、同盟国ではないロシアや中国等がこの大統領をうまく利用し利益を得ている気さえし、今回再選されなかったことを安堵せざるえない。

中国政策、台湾政策等トランプ政権のプラスの側面をこれまで感じてきたが、再選されたとたん手のひらを返し、台湾を見捨てることもありうることを知り、多くのトランプ支持者にお勧めしたい本ではある。

-読書日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「レッドルーレット」デズモンド・シャム(2023年1月28日)

自分が滞在した2000年代初頭を含めた北京の裏事情が生々しく描かれ、特に温家宝夫人との関係を通じた中国トップ社会の暴露がすさまじい。今の習近平時代の背景を知る一つになり、読後としてとても興味深いととお …

no image

「裏切られた台湾」G.H.カー(2022年2月16日)

終戦前の国民党の台湾への認識のなさ(知識のなさ)、終戦後に台湾へ来た国民党兵士及び中国人のレベルの低さ、そして陳儀以下の幹部たちのひどさを、第3者であるアメリカ人が詳細に描写しており、ようやく228事 …

no image

「大国政治の悲劇」ジョン・J・ミアシャイマー(2024年2月25日)

久々に骨太の書籍を読んだ。そして現実の国際政治を動かす要因としての説明としてはとても説得力があるものと感じた。これまではリベラル色の強い、それこそ学生時代は猪口氏の「戦争と平和」みたいなものによる腹落 …

no image

「蚊が歴史を作った」T・ワインガード(2023年12月17日)

毎年多くの人類を殺害しているのは実は蚊であり、その過去から人類の歴史への影響を述べたものである。これまで世界史では蚊について触れてはいないが、ここまで多くの戦いや行動に影響を与えているものとは認識して …

no image

「日本インテリジェンス史」小谷賢(2023年8月7日)

戦前のレベルがそれなりの水準にあったこと、そして第2次安倍政権で整備がぐっと進んだことを知った。戦後の一定期間の停滞期、もしろ進むことを拒否していた時代は今思えばやはりという感を得るのみであるが、ここ …