読書日記

「裏切られた自由」(2020年4月26日)

投稿日:

「裏切られた自由」H.フーバー著

2週間の隔離期間に読ませてもらった。

戦後の冷戦構造を作ってしまった要因(ソ連を強化した)、中国でなぜ蒋介石が毛沢東に敗北したのか、を教えてくれる。これまではナチスの残虐さ、共産党の規律/潔癖さと国民党の腐敗、がそれぞれ強調されることで覆われていた事実がわかる。そして日米開戦に至る交渉において日本の和平交渉をことごとく無視し開戦へ誘導するルーズベルト政権、日本への原爆投下が米軍の多くのトップ(マッカーサー、ルメイ、ハルゼー等)が不要と答えていること、も我々日本人としては確り認識しないといけない。

認識を改めさせる知的興奮を与えてくれるものであるとともに、何故この事実が日本やアメリカで未だにきっちり教えられず共有されていないのかの深い虚しさも感じる。

-読書日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「転落の歴史に何を見るか」斎藤健(2020年5月21日)

ジェネラリスト育成の重要さ、日本的組織の課題については、現在日本企業に身を置くものとして耳につまされるところである。 特に心に刻む必要がある、その通り、と感じさせられたのは、 野中郁次郎の「何が物事の …

no image

「長崎海軍伝習所の日々」カッテンディーケ(2022年2月5日)

オランダ人の幕末に日本へ滞在した際の記録。外国人の見た日本の記録は異文化の視点から率直に興味深いものがある。ここでは賛美する言葉のみかと思いきや、「悠長」、「軽率」、「飽きっぽい」といったことも書かれ …

no image

「第二次世界大戦 アメリカの敗北」渡辺惣樹(2020年6月20日)

この記載されている事実の重さとともに、これが日本の現代史教育で全く反映されていない(ように見える)、多くの日本人がこの歴史的事実に認識がないことに愕然とする。戦前戦後の国際政治を動かしたソ連とその多く …

no image

「ローマの哲人 セネカの言葉」中野孝次(2022年2月6日)

中野氏の著作には私が高校生の時、とてもお世話になった。恋愛・どう生きるべきか等。こうして年を経て、またいろいろ考えさせられる機会をもらい、勇気といえば大げさだがなるほどと思える言葉・文章が多かった。組 …

no image

「ジョン・ボルトン回顧録」(2021年2月16日)

「彼には個人的な利益と国益の区別がつかなかった」「行動基準は何が自分の個人的な利益に一番つながるか」「合衆国の大統領がこれほど理不尽な振る舞いをするのを見たことがなかった」 政府の側近たち、そして日本 …