読書日記

「武藤章」川田稔(2023年10月8日)

投稿日:

A級戦犯として処刑された人の中であまり有名ではないこともあり興味をもった。開戦時に陸軍の軍務局長として陸軍の方針・戦略にかかわっていたことから積極的な日米開戦論者かと予想していたものの、むしろそうではなく日独伊三国同盟、日ソ関係を踏まえそれなりに合理的な戦略をたて、米国との戦いを直前まで反対していた人物であることを知った。むしろ日米開戦を主張し誘導した田中新一や、海軍としてノーといわずにいた嶋田繁太郎ら、もっとA級戦犯として武藤以上に責任を問われてもいい人間がいながら、なぜか武藤が処刑されるという理不尽さも改めて感じた。そういう無念さも含め後世の我々が確り理解することで多少なりとも鎮魂となるのかもしれない。

-読書日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「白鯨」 メルヴィル(2021年4月5日)

ストーリーがシンプルな割に難解であり読みずらいところがある小説ではある。 個人的には西洋人/アメリカ人の動物に対する見方がよく分かった気がする。未だにアメリカではハンティングがスポーツとして許されてお …

no image

「野の古典」安田登(2024年2月9日)

軽いタッチの文章ではあるも、不惑や誠、温故知新といった言葉の本来の意味を改めて認識するとともに、各種古典文学へ興味をいだかせてくれた。やはり漢文は若い人もしっかりやったほうがいいし自分の子供達にも伝え …

no image

「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」 (2021年6月14日)

対話形式でわかりやすい書籍。コロナやワクチンについて基本的なところを勉強できた。何よりも巷のネットを中心とした、だれを何を信じたらいいのかというところはこれまで以上に意識しなければと感じた。

no image

「長崎海軍伝習所の日々」カッテンディーケ(2022年2月5日)

オランダ人の幕末に日本へ滞在した際の記録。外国人の見た日本の記録は異文化の視点から率直に興味深いものがある。ここでは賛美する言葉のみかと思いきや、「悠長」、「軽率」、「飽きっぽい」といったことも書かれ …

no image

「ゴンチャローフ日本渡航記」(2023年1月26日)

幕末のプチャーチン来日の際に随行したゴンチャローフの記録。川路の長崎日記を反対からみたもの。外国側からも川路を優秀な人間とみていたこと、そして日本側の決められない、時間がかかるということの今にも続く体 …