読書日記

「長崎海軍伝習所の日々」カッテンディーケ(2022年2月5日)

投稿日:

オランダ人の幕末に日本へ滞在した際の記録。外国人の見た日本の記録は異文化の視点から率直に興味深いものがある。ここでは賛美する言葉のみかと思いきや、「悠長」、「軽率」、「飽きっぽい」といったことも書かれており、現代とは違うところ、変わらないところがあり、面白い。殿様を迎える場面を含め、当時の姿が生き生きと描かれている。特に感じるのは当時の日本の風景はとても美しかったんだろうということ。そしてこれを訳していただいた訳者(外交官)にも感謝。同時に読み終えた川路聖謨の「長崎日記・江戸日記」も交渉経緯だけでなく日常の描写が興味深い。

-読書日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「大国政治の悲劇」ジョン・J・ミアシャイマー(2024年2月25日)

久々に骨太の書籍を読んだ。そして現実の国際政治を動かす要因としての説明としてはとても説得力があるものと感じた。これまではリベラル色の強い、それこそ学生時代は猪口氏の「戦争と平和」みたいなものによる腹落 …

no image

「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」 (2021年6月14日)

対話形式でわかりやすい書籍。コロナやワクチンについて基本的なところを勉強できた。何よりも巷のネットを中心とした、だれを何を信じたらいいのかというところはこれまで以上に意識しなければと感じた。

no image

「これからの時代を生きぬくための文化人類学」奥野克巳(2024年1月21日)

原始的な生活を存続しているであろう人々を研究することで我々の文化を相対的に見れる興味深さとともに、原始的な生活、狩猟を中心とする人たちがどんどん減少し、現代化していくことによる研究の今後の難しさを感じ …

no image

「樋口季一郎回想録」(2023年6月22日)

ソ連から満州国への通行を後押ししたことでユダヤ難民を多数救ったことや、戦時中のアッツ・キスカそして占守島の件もあり、有名な陸軍軍人。そのあたりの背景や思考が記述されているかと思っていたが、特に後者の第 …

no image

「転落の歴史に何を見るか」斎藤健(2020年5月21日)

ジェネラリスト育成の重要さ、日本的組織の課題については、現在日本企業に身を置くものとして耳につまされるところである。 特に心に刻む必要がある、その通り、と感じさせられたのは、 野中郁次郎の「何が物事の …