読書日記

「長崎海軍伝習所の日々」カッテンディーケ(2022年2月5日)

投稿日:

オランダ人の幕末に日本へ滞在した際の記録。外国人の見た日本の記録は異文化の視点から率直に興味深いものがある。ここでは賛美する言葉のみかと思いきや、「悠長」、「軽率」、「飽きっぽい」といったことも書かれており、現代とは違うところ、変わらないところがあり、面白い。殿様を迎える場面を含め、当時の姿が生き生きと描かれている。特に感じるのは当時の日本の風景はとても美しかったんだろうということ。そしてこれを訳していただいた訳者(外交官)にも感謝。同時に読み終えた川路聖謨の「長崎日記・江戸日記」も交渉経緯だけでなく日常の描写が興味深い。

-読書日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「ペリー提督日本遠征記」M・C・ペリー(2022年6月25日)

日本の歴史上有名な「ペリー来航」であるが、点でしか理解していなかったものが、アメリカ東海岸を出航し、喜望峰を経て、、、何か月もかけて到来しているという当たり前のことを理解でき興味深かった。当時の沖縄に …

no image

「転落の歴史に何を見るか」斎藤健(2020年5月21日)

ジェネラリスト育成の重要さ、日本的組織の課題については、現在日本企業に身を置くものとして耳につまされるところである。 特に心に刻む必要がある、その通り、と感じさせられたのは、 野中郁次郎の「何が物事の …

no image

「ローマの哲人 セネカの言葉」中野孝次(2022年2月6日)

中野氏の著作には私が高校生の時、とてもお世話になった。恋愛・どう生きるべきか等。こうして年を経て、またいろいろ考えさせられる機会をもらい、勇気といえば大げさだがなるほどと思える言葉・文章が多かった。組 …

no image

「裏切られた台湾」G.H.カー(2022年2月16日)

終戦前の国民党の台湾への認識のなさ(知識のなさ)、終戦後に台湾へ来た国民党兵士及び中国人のレベルの低さ、そして陳儀以下の幹部たちのひどさを、第3者であるアメリカ人が詳細に描写しており、ようやく228事 …

no image

「THINK AGAIN」アダムグランド(2022年12月25日)

最近は書評等で本の購入を決めることが多いですが、これはとても得るところが多いものでした。既存の固定概念を結構覆してくれるし、自分や周りでおやっと思う思考への答え・対応、そして大きく言えば人間のあやまち …