A級戦犯として処刑された人の中であまり有名ではないこともあり興味をもった。開戦時に陸軍の軍務局長として陸軍の方針・戦略にかかわっていたことから積極的な日米開戦論者かと予想していたものの、むしろそうではなく日独伊三国同盟、日ソ関係を踏まえそれなりに合理的な戦略をたて、米国との戦いを直前まで反対していた人物であることを知った。むしろ日米開戦を主張し誘導した田中新一や、海軍としてノーといわずにいた嶋田繁太郎ら、もっとA級戦犯として武藤以上に責任を問われてもいい人間がいながら、なぜか武藤が処刑されるという理不尽さも改めて感じた。そういう無念さも含め後世の我々が確り理解することで多少なりとも鎮魂となるのかもしれない。
「武藤章」川田稔(2023年10月8日)
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執筆者:nobumori