読書日記

「裏切られた台湾」G.H.カー(2022年2月16日)

投稿日:

終戦前の国民党の台湾への認識のなさ(知識のなさ)、終戦後に台湾へ来た国民党兵士及び中国人のレベルの低さ、そして陳儀以下の幹部たちのひどさを、第3者であるアメリカ人が詳細に描写しており、ようやく228事件に至る経緯と台湾人の悲哀さが理解できた。またアメリカ政府の台湾への関心が当時は不十分であり、それゆえに国民党に好きなようにやられ台湾人が悲惨な目にあったこともわかり、とても勉強になった。ただこの国民党の汚職体質を見ていると、アメリカ軍が支援をためらい、結果的に共産党を利してしまったのもわかる気がしてきて本当に残念ではあります。228事件に至る部分はページを読み進めるのがとても辛く、憤りの連続でありました。中国人の接収により、今も多くの資産家・金持ちが台湾に残っているのではないかと推察します。

-読書日記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「転落の歴史に何を見るか」斎藤健(2020年5月21日)

ジェネラリスト育成の重要さ、日本的組織の課題については、現在日本企業に身を置くものとして耳につまされるところである。 特に心に刻む必要がある、その通り、と感じさせられたのは、 野中郁次郎の「何が物事の …

no image

「ペリー提督日本遠征記」M・C・ペリー(2022年6月25日)

日本の歴史上有名な「ペリー来航」であるが、点でしか理解していなかったものが、アメリカ東海岸を出航し、喜望峰を経て、、、何か月もかけて到来しているという当たり前のことを理解でき興味深かった。当時の沖縄に …

no image

「蚊が歴史を作った」T・ワインガード(2023年12月17日)

毎年多くの人類を殺害しているのは実は蚊であり、その過去から人類の歴史への影響を述べたものである。これまで世界史では蚊について触れてはいないが、ここまで多くの戦いや行動に影響を与えているものとは認識して …

no image

「日本インテリジェンス史」小谷賢(2023年8月7日)

戦前のレベルがそれなりの水準にあったこと、そして第2次安倍政権で整備がぐっと進んだことを知った。戦後の一定期間の停滞期、もしろ進むことを拒否していた時代は今思えばやはりという感を得るのみであるが、ここ …

no image

「樋口季一郎回想録」(2023年6月22日)

ソ連から満州国への通行を後押ししたことでユダヤ難民を多数救ったことや、戦時中のアッツ・キスカそして占守島の件もあり、有名な陸軍軍人。そのあたりの背景や思考が記述されているかと思っていたが、特に後者の第 …